エネルギーは企業活動の生命線です。これまでは原子力発電が主流であったため、原油の価格が
高騰した際も電気料金はそれほど値上がりしませんでした。
しかし、震災の影響で原子力発電の再始動が難しくなっている現状を鑑みると、今後は火力発電が
中心となり、電力料金は原油価格に左右され高騰していく事は明白です。
(2008年8月では重油は2~3倍、ガス1.5~2.5倍に上昇。)
そのため、適切なエネルギーの活用は現代企業にとっての課題といえるでしょう。
電気エネルギーをより有効に活用するポイントは大きく分けて3つ。
電力使用量の削減 省エネ活動、省エネ設備の導入
電力購入単価の低減 ピーク管理、電力契約プランの見直し
社会、地域へ貢献 夏場における電力会社への供給ピーク時の協力・地域での
エネルギー共有・CO2の削減
エネルギー診断プロフェッショナルの資格を持つ当社コンサルタントが上記観点から具体的
なアドバイスをいたします。
「電力使用量の削減」については、省エネサポートのページで詳しく説明しています。
以下では企業にとって直接影響のある電気料金の仕組み、節電の際に重要なピーク管理
とについてお話しします。
電気料金の仕組み
皆さんは電気料金がどのように計算されているかご存じでしょうか?
ご存じないのであれば、きっと割高な電気料金を支払っていること
でしょう。
実は、電気料金を決定する要因は使用量だけではないのです。
【電気料金計算式】
電気料金=基本料金+使用量料金+燃料調整 基本料金=契約電力(kW)×基本料金単価×(1.85-力率) |
*契約電力( 50~500kW の場合):1年間における30分間の最大値(ピーク電力)が契約
電力として1年間適用される
【電気料金が決定される要因】
ピーク電力
使用量
力率
つまり、契約プランを変えずに電気料金を下げようとする場合…
ピーク電力(契約電力)を下げる
電力使用量を減らす
力率を100%に近づける
の手段が考えられます。
電力会社は企業の様々な電気の使用状況に対していくつかのプランを用意しています
(工場・商業施設向け、夜間の使用が多い場合、夏場の使用が多い場合…)ので、
この契約プラン自体を変更することで電気料金を下げるという方法もあります。
【ピーク電力(契約電力)を下げる方法】
ピーク電力が電気料金に影響する理由は、1年間における30分間の最大値(ピーク電力)が
契約電力として1年間適用されるためです。電力会社が電気を送るための供給設備に最大値
で準備しておく必要があるため、そのような仕組みになっています。
まず、注意して頂きたいのは、ピークカットと省エネとはイコールではないということです。
もちろん省エネを行なえば、ピークを下げることはできますが、ピークを下げる手段は
省エネだけではありません。たとえば、電気使用の平準化です。ピークが出ている時間帯の
電力使用の一部を別の時間帯にシフトさせることでピーク電力を低下させます。ただ、この場合、
ピークを下げ電気料金は低下しますが、移動させただけなので全体の電力使用量は変わりません。
ちなみに外注化もピークを下げる手段の一つでなのです。
ピーク管理の第一歩としては、デマンドコントローラーの設置が有効です。
いつピークが出ているかを把握し、ピーク時に何の設備が稼働していたかを調査する事が大切です。
【力率を100%に近づける方法】
使用している設備にはモーターなどコイルを使用して稼働している機器があります。
コイルを使用して稼働している設備は、その特性から電流と電圧の位相のズレが生じます。
そのズレの影響で無効な電力が生まれ、無効電力の割合を示す指標である力率が低下します。
コイルを使用して稼働している設備が多いほど力率は低下します。
基本料金=契約電力(kW)×基本料金単価×(1.85-力率)であるため、
力率が100%の場合は…
契約電力(kW)×(1.85-1.00=0.85)となり、基本料金が15%割引かれます。
力率が90%である場合は…
契約電力(kW)×(1.85-0.90=0.95)となり5%割引きとなり、
力率が100%と90%では基本料金に10%の差が生じます。
対策としては、力率を100%に近づけるため、位相のズレを修正する進相コンデンサーを導入します。
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